NHKスペシャル2030(No.4)

この写真は人参の間引き後の様子です。


Nスペ2030第4回のナレーションを文字で起こしました。

大切なメッセージです。沢山の人達にお知らせしたいと思いますので、お許し下さい。

NHKスペシャル2030 今こそ、環境問題と向き合おう。

第4回 “神の領域”への挑戦~ゲノムテクノロジーの光と影~  2021年6月6日放送

●中国蘇州バイオ企業の研究室、ここで自然界には存在しない生命が次々と生み出されています。紫外線を当てると緑色に光るマウス、クラゲの遺伝子が組み込まれています。テクノロジーの進化によって、人類は生命そのものを思い通りに作り替え始めています。

●中国バイオ企業の社長「私たちはあらゆる生命の遺伝子を操る技術を手にしました。創造の可能性は無限に広がっています。」

●急速に進化するテクノロジー。使い方次第で未来の明暗が大きく分かれる事になります。NHKスペシャル2030第4回は生命そのものを操る最先端技術ゲノムテクノロジー。人類は膨大な遺伝情報ゲノムを解析し、思い通りに操作し始めています。その技術は変異を続ける新型コロナのワクチンや治療薬の開発にも利用され、パンデミックに立ち向かう重要な武器となっています。さらに人類を悩ませてきたガンなど重い病の克服や、食糧危機と言った地球規模の課題解決に大きな期待がかかっています。

●ハーバード大学ジョージ・チャーチ教授「ゲノムテクノロジーは農業、新素材、医療などあらゆる分野で欠かせない物になります。かつての産業革命に匹敵する影響を及ぼすでしょう。」

●これまで膨大なコストがかかっていた、ゲノム情報の解析コストは、2030年には限りなくゼロに近づくと試算されています。人々があらゆる生命を自在に操作できるようになった、その先に何が待ち受けているのか。人類の欲望に歯止めがかからず、技術が暴走して行く未来なのか。誰よりも美しく、そして誰よりも能力が高い、思い通りの子供を生み出す、デザイナーベイビーが誕生するのか。人間の価値がゲノム情報を基に判断され、優れた遺伝子を持つ者と、そうでない者との格差が広がり続ける社会が出来てしまうのか。

●ユネスコ国際生命倫理委員会エルベ・シュネイペス議長「テクノロジーの進化があまりにも早いため人々の理解が追い付いていません。このような強力な技術を議論もないまま使うことは非常に危険なのです。」

●未来への世代の運命をも変えつつある人類、2030年までの10年、歩むべく道を探ります。

●中国杭州、ゲノムテクノロジーを利用したガンの専門病院では、1年間に16万人が来院している。他の病院では治療が難しいとされた、末期のガン患者達が次々と入院している、その治療方法とは。ガン患者のキラーT細胞(免疫細胞)は、がん細胞と戦います。このキラーT細胞のゲノムを思い通りに操作して、ガン細胞への攻撃力を高めて、増殖を抑え込む事が出来ると言う。中国ではゲノムテクノロジーにより、新しい治療が次々と生まれ、医療を変え始めています。

●ゲノムを思い通りに操作する方法は?ゲノムはA、G、C、T、4つの物質の組み合わせからなっています。2020年ノーベル賞を受賞したカルファルニア大学バークレー校ジェニファー・ダウドナ博士によると、乳酸菌の特殊なタンパク質を細胞の中に注入すれば、簡単にゲノムの配列を変える事が出来ると言う。このクリスパー・キャス9と言う技術は、この特殊なタンパク質で膨大な配列の中から特定の配列を見つけ出し、切断する事が出来る能力を持つ。博士はこのタンパク質に切断したい配列を覚えさせ、細胞に注入、同時に組み込みたい配列を注入しておけば、思い通りに配列を書き換える事が出来るのです。

●ゲノム編集の技術は医療以外でも、食糧問題雄解決の為、収穫量を飛躍的に向上させたトウモロコシや地球温暖化に強い作物の開発等、人類の課題解決に役立てられている。

●カルファルニア大学バークレー校ジェニファー・ダウドナ博士「クリスパー・キャス9は、医療や農業などあらゆる分野で使える技術です。私はこれを誰でも利用できるテクノロジーにしたいのです。これは世界を大きく作り変える事が出来る画期的な基礎技術です。ゲノム編集はこれからますます加速していくでしょう。」

●この技術を急速に発展させようとしているのが、中国です。ゲノム編集の特許は2016年アメリカを抜いて世界トップとなる。

●中国蘇州のバイオ企業の生み出したある生物が、世界中で売れている。一部の遺伝子を人間のものに改造したマウス。普通のマウスは新型コロナに感染しないが、このマウスは感染するという特徴を持つ。変異を続ける新型コロナのワクチンや治療薬の開発に必要な実験が出来ると注文が殺到。他にも顧客の要望に合わせ、プログラミングのようにゲノムの配列を決めて行きます。自然界には存在しない新たな命を大量に生み出す事が出来るのです。生命とはデジタル情報の集合体なのです。あらゆる生命のゲノム編集を可能にする技術を手にしました。創造の可能性は無限に広がっています。

●個人がウィルスを作り出し解き放つ可能性があります。また、受精卵のゲノム編集が倫理的な問題になる、つまり望んだ特徴を持った子供を作り出す可能性があります。

●ゲノムテクノロジーは光と影が交錯するパンドラの箱です。使い方を誤れば人間の命に関わります。どこかで倫理の線引きをする必要があるのです。

●私たちは次の10年、より良い選択をする為に、この問題に向き合わなければいけません。

●すでにゲノムテクノロジーのリスクを実際に示した研究者も現れています。馬とうウィルスと言うゲノムを人工的に合成しました。とても強い感染力を持ちます。人類にとって脅威となるウィルスを人工的に作り出せる時代がすでにやって来ていると世界に警鐘を鳴らしています。カナダアルバータ大学デイビット・エバンス博教授「人々が危険に気づいていない事を心配しています。この技術で将来あらゆる物を作る事が可能になります。甘い考えで作られた物が最悪の事態を招いてしまうのではないか。油断すると新型コロナと同じような危機に直面する事になるでしょう。

●中国雲南省 霊長類研究所 我々は人とサルの細胞が混ざったキメラを作りました。まだ細胞実験の段階で実際に誕生した訳ではないですが、遺伝的に近い生物のキメラをどのように作るのか、その仕組みを研究しています。異なる遺伝情報を持つ細胞が混ざった混合体(キメラ)。細胞レベルでの研究は認められていますが、人間と他の生き物のキメラを誕生させる事は、多くの国で禁止されています。

●人間と他の生物のキメラを作る理由は、将来他の生物の体の中で人間の臓器を作り出す為です。これは移植用の臓器不足を補う技術なのです。

●人間のゲノムに手を加え、望み通りの子供を生み出すデザイナーベイビーが生み出されています。実際にエイズになりにくい双子を誕生させています。受精卵のゲノム編集で、超えてはいけない一線を越えてしまいました。

●国際社会での法規制はまだありません。しかし遺伝病にたいして、救える可能性があります。倫理の事は倫理学者に任せて、生物学者は技術的な事を研究するのが仕事との意見もあります。

●この技術が歯止めなく進んで行った先に、どんな未来が待っているのか。命は授かる物だったし、どういう子供が授かるかは分かりませんでした。しかし、思ったような子供を作り始める事ができると、作る命は壊せるし、生命が物に近づいてしまいます。命の尊さの基本感覚が怪しくなる可能性がある。ただただ忙しい、何処へ向かっていけば良いのか、考える暇がない。こういう危うさがある。

●将来、ゲノム編集で、優秀な遺伝子を代々引き継ぐ、上流階級が生まれているかもしれません。ゲノム編集出来ない人達は、能力が低いとみなされ、定職に就く事が出来ないかもしれない。すべての判断はゲノム情報を基に行われ、不平等と差別がゲノムに刻み込まれたのです。弱い立場の人は益々追い詰められてすまうのです。同じ人間なのに。

●今、生きている人だけではない、まだ生まれていない人たちにも大きな影響を与えるかもしれない。共通の価値に基づいて、科学が進む方向を判断しなくては。2030年はすぐそこに来ている。

●ユネスコ国際生命倫理委員会エルベ・シュネイベス議長「私たちはもはやテクノロジーの単なる消費者ではいられません。2030年に何が起きるかは私たち自身にかかっています。私たちは驚くべき可能性と同時に、とてつもなく大きな責任も背負っているのです。」

●ゲノムテクノロジーその先に本当に私たちの幸せがまっているのか、私たちに生命を操る資格があるのだろうか。日常の中に当たり前のようにある命。その意味を今、立ち止まって考えたい。

豊滝自然農園

とよたき自然農園 美味しいお芋は無肥料、農薬不使用、自然農法で出来ています。  良い言霊と 素敵な景色と 心地よい癒しと 昼寝が 好きです。

0コメント

  • 1000 / 1000